ヒノキ(檜・桧)でエレキギター制作 檜の一枚板から1ピースボディの7弦テレシェイプ
こんにちは。ギター工房ToneWoodLab(トーンウッドラボ)のアオキです。
今回は、ヒノキの一枚板を使って制作したエレキギターと、実際にヒノキ材を使ってエレキギターを作ってみた所感をご紹介します。
ヒノキ1枚板ワンピースボディのギター
当工房にて制作したギターのスペックは以下の通りです。
ボディ:ヒノキ
ボディ仕上げ:オイルフィニッシュ&ウルシ(カシュー)
ネック:ウリン
指板:ローズウッド(インドローズ)
指板R:フラット
フレット:ジャンボサイズ
スケール:666-635mmマルチスケール
サーキット:2ハムバッカー、3Way 1V1T
特筆事項は、やはりボディにヒノキの一枚板を使っていることと、ネック材がウリンというハードウッドを使っていることでしょうか。
また、ギターボディの仕上げはオイルフィニッシュと漆系塗料を組み合わせた塗装になっています。
ヒノキは針葉樹の中では堅めの材ではあるものの、エレキギターのボディでよく使われるアッシュやメイプルなどの硬質な広葉樹に比較すると柔らかいため、オイルフィニッシュだけでは不安がありました。
そのため、カシューナッツからとれる漆成分を抽出した「カシュー」という塗料をオイルに混ぜ込んで、塗装面の強化を狙いました。
ヒノキ材(檜・桧)について
ヒノキは日本で広く見られる針葉樹ですが、エレキギターにはあまり使われない木材です。
針葉樹の木材自体、エレキギターではあまり用いられませんが、クラシックギターやアコースティックギター、ヴァイオリンなどには幅広く利用されている木材です。これらの楽器では、スプルースやトウヒ、パイン、シダーなどの針葉樹が使われます。
そのため、エレキギターでも使用可能と考え、今回はボディ材として活用しました。
加工や完成物の所感としては、加工性は中庸なアルダーに近く、音は中音域が気持ちよくなるような印象でした。
ネックや指板は、硬めの材との相性が良いように感じます。
やはり、生楽器で使われるような材であるため、生鳴りが非常に心地よく、仕上げのオイルフィニッシュも相まって、ずっと弾いていたい一本に仕上がりました。
ウリンについて
ウリンに関しては、水や湿度に強く海岸部のウッドデッキなどで数十年使われるような材となるため、ネックの安定性や剛性感は素晴らしいものでした。
音としては、やはり硬質材であるため立ち上がりが良く、ハイ成分強めのキレのあるサウンドと言えるでしょうか。
ウリンは木材そのもの色味のトーンが良く、ギターの外観を引き締める、デザインの要ともなっています。
制作風景
制作風景はYoutubeに公開しています。